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サマエル Samael

「Sam」とは「毒」を意味する。『エノク書』では「デーモンどもの首領」と呼ばれている。このサマエルがイヴを誘惑した蛇であるともされている。
『ユダヤ人の伝説』では、モーゼを死にいたらしめなければならなかった時、サマエルがその役目に遣わされている。だが、彼は剣を手にモーゼの所に向かうも、逆に打ちのめされ失敗してしまう。結局神自身が出向き、それでやっとモーゼも従った。

エレミヤの弟子、バルクによる記録とされる『バルク黙示録』では、サマエルはエデンの園に葡萄の木を植えたという。アダムはその実を発酵させて葡萄酒をつくり、禁断の味を覚えてしまう。そのことが神の怒りを買い、エデンを追放される。殺人、姦通、姦淫、偽誓、盗みといったことはすべて飲酒から生じると言っている。『ヨハネの黙示録』でも葡萄酒には姦淫や神の怒りが意味されている。

この葡萄酒がキリスト自身の血であるといわれるように、キリスト教の儀式に欠かせないものになったのは以下の理由によるらしい。
大洪水の後、地上に植物を植え始めたノアは、葡萄の木を植えてよいものかどうか悩んだ。そこへサラサエルという天使が神の伝言を持って現れた。「この木の苦さは甘さに変えられ、その呪いは祝福となり、そこから生ずるものは神の血となるであろう」。
by sigma8jp | 2008-10-30 03:58 | ■ 天使の個々の名前 | Comments(0)
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