カテゴリ:占星術の奥義( 1 )

『ルターの時代の星辰と世界の終末』

  近年の錬金術史研究の流れの先駆けてきな論集である C.Meinel 編『ヨーロッパの文化と科学における錬金術』の下となった国際シンポジウムとほぼ同時期に、ルネサンスの自然魔術研究で有名なパオラ・ザンベリ氏によって占星術史研究に新たな方向性を示した重要な国際シンポジウムが1984年5月28-29日にベルリンで開かれました。

これは、その結果をまとめた論集です。テーマは、ドイツを中心に1524年に、星辰の異常な影響によっておこされるであろう洪水による世界の終末がくるという占星術師の予言に対する危機感が高まっていた時代の状況です。中世末期・ルネサンス期の占星術と予言、そして終末論と宗教改革との関係の諸相を分析する論文で満ちてます。

この論集の編者であるザンベリ氏は、おそらくこの論集が、哲学・科学理論と政治的・宗教的歴史の双方において占星術の重要な役割が強調されている世界初のケース・スタディ集であると位置付けています。

構成は、まず第1部として占星術の理論的諸相の中世末期・ルネサンス期における状況を扱う3篇の論文から。第2部として、ドイツ宗教改革のリーダー的存在である、ルターやメランヒトンと占星術的終末論の関係を研究した3篇の論文、そして、ドイツにおけるよりマイナーな著作家の占星術的終末論を取り扱った2篇の論文。

そして、ドイツでの議論をかき立てたその他の人物に対するいくつかのモノグラフィがあり、最後に、こういった16世紀の議論が、イタリアの自然哲学者トマゾ・カンパネッラの著作に反映される過程を追った最後の1篇へと続きます。
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by sigma8jp | 2008-11-14 23:43 | 占星術の奥義 | Comments(0)