ピタゴラスにより、こうして音階が発見され、しかもそれは、数学的にも美しく調和していることがわかった。人間の耳は、2つの音の振動数が簡単な比になっているほど協和して感じ、複雑なほど不協和に感じる傾向がある。その意味ではピタゴラスが示したように、すっきりとした比率で音程を決めたほうが、美しい和音が聞こえる。これを純正律の音階という。
ところが、いくつか調(キー)を変えて和音を出してみると、複雑な数学的比率となる場合があり、著しく不協和な響きが出てくることがわかった。 そこで、この音階はどうもうまくないということになり、十二平均律という、新しい音階が登場する。それが今日、われわれが採用している音階だ。 十二平均律は、ある意味で妥協的な産物だ。これは1オクターブを12の平等な音程に分割し、それを半音と定め、半音の2倍を全音としているが、各半音は、1オクターブを12等分したものなので、実際の振動数の比は、12乗して2になる数、つまり12√2=1.05946・・・・という無理数になり、「ズレ」が生じてすっきりとした数にならない。 つまり、完全に協和した音とならない。ただ、どの調で演奏しても平均して微小な不協和ですむので、十二平均律で落ち着いているわけである。もっとも、この「ズレ」があった方が、かえって美しく聞こえるという人もいる。 そのため、純正率の方が絶対に美しいかどうか、簡単にはいえない。純正率の音が美しいというのは、おそらく数学的な見地からそういっているのだろう。実際には、かなり音感にすぐれた人でない限り、このわずかなズレの違いを聞き取ることはできないはずだ。 さて、ここで考えこんでしまう。霊界で響いているのは、純正率だろうか、それとも十二平均律だろうか、あるいは他の音階だろうか。 モンローの記述では、完全なハーモニーが聴こえたとある。そうなると純正率の可能性が高い。しかし、自然界にはわずかなズレやゆらぎがあり、それは魂を共鳴させ、われわれをリラックスさせる事実を見てきた。これが音程にも適用できるなら、十二平均律の方が、魂にとっては共鳴できる音階ということになる。 では、真実はどうなのだろうか。それを解明する前に、リズムについて調べてみよう。というのも、リズムにおけるズレの中に、この謎を解くヒントが隠されているからである。
by sigma8jp
| 2008-11-18 21:18
| 「天球の音楽」と聖なる七音
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