黄金分割( 6 )

黄金分割とは、人間がもっとも美しいと感じる調和的比率のことである。

  古来から絵画や建築などにこの比率が使われてきたが、この比率は、1:√2すなわち5:7.07から1:√3すなわち5:8.66の範囲で選定されていることが多く、一般には1:1.618となる。これが黄金分割の比率である。つまり黄金分割に基づくリズムとは、厳密なリズムから0.618だけズレているということだ。

黄金分割の興味深い点は、それが生命活動と密接な関係にあるということだ。遺伝子のDNAらせんは黄金分割の比率であり、人間のプロポーションにも黄金分割が見られる。

松ぼっくりやひまわりの種、植物の葉の位置などもそうで、オウム貝の渦巻きも黄金分割に基づいている。生きている化石オウム貝は、数億年も前に栄えたアンモナイトと同類であるが、アンモナイトは滅びてしまったにもかかわらず、オウム貝が今なお生きているのは、それが黄金分割に基づた螺旋構造をしていたためだろうといわれる。アンモナイトの方は単純な螺旋にすぎなかった。

このように、黄金分割は生命力と関係した比率なのである。それが形であろうと音楽であろうと、黄金分割あるいは黄金分割に関連した無理数が見られるところには、生き生きとした生命エネルギーが感じられるのだ。

ここで、第1章で触れた1/f ゆらぎを思い出していただければ嬉しい。あのゆらぎも、それは生命力がもっとも強く発揮されるものだった。つまりゆらぎとは、黄金分割と関連したズレだったのである。

もちろん、いくら黄金分割に基づくズレだからといって、やたらにずらしても効果はない。それは“曲線”を描くようにすることがポイントだ。

すなわち、リズムの緩急がちょうど山のようになっているもので、先程の実験のように、高揚度曲線を描くものである。少しずつおそくなり、頂点を境に再び速度を増してもとに戻るというリズムだ。そして、その曲線の曲がる度合いが黄金分割に基づいているときに、その音楽は生命を宿し、われわれに感動をもたらすのである。
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by sigma8jp | 2008-11-18 21:23 | 「天球の音楽」と聖なる七音 | Comments(0)
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