音楽霊媒師ローズマリー・ブラウン
偉大な作曲家は、霊的故郷の音楽を魂で感じ、それを楽譜に書きこんでいく。 ただし、彼らは霊媒ではない。だから、霊感をそのまま音楽にするわけではない。霊が憑依してひとりでに何かを書くという、いわゆる自動書記ではないのである。 もしも自動書記で音楽を編み出すというのであれば、ローズマリー・ブラウンにかなうものはないだろう。ご存じかもしれないが、簡単に紹介してみよう。 1960年代のことだ。イギリスの平凡な中年未亡人ローズマリー・ブラウンは、あるとき何げなく古いピアノの前に座った。すると突然、からだが金縛りにあい、身動きできなくなった。次の瞬間、指が勝手に動き出し、名ピアニストさながらの調子で、何とも美しい曲を弾きはじめたのである。 ベートーベンの第10交響曲の楽譜をもつローズマリー・ブラウン いったい自分に何が起きたのかと、彼女は驚きと恐怖で胸がいっぱいになった。同時にひとりの白髪の老人が、かたわらに立っているのが見えた。 しばらくして曲が終わると、彼女は金縛りから解放され、老人の姿も消えていた。ローズマリーは、正式にピアノを習ったこともないし、満足に弾ける曲はひとつもなかったので、自分の身に起こったことが信じられなかった。 また、あの白髪の老人はいったいだれなのかと気になった。そこで、音楽の教科書を引っ張り出してページをめくってみた。すると一枚の写真に目が止まった。何とあの老人は、リストではないか。 不思議な現象はその後も頻繁に起こった。彼女がピアノの前に座るたびにリストの霊が宿り、彼自ら作曲したという曲を、指が勝手に動き出して弾くのである。 最初は当惑していた彼女であったが、しだいに落ち着いて事のしだいを見守れるようになった。 そしてついには、演奏した曲を譜面に書き残すようにさえなった。やがてその譜面は音楽教授の目にとまり、世間に知られるようになったのである。 その後、リストばかりか、バッハ、シューマン、ベートーベン、ブラームス、シューベルト、ドヴュッシー、ショパンという、大作曲家が次々と彼女のからだを借りて、自分たちが新しく作曲したという作品を演奏し、あるいは自動書記で譜面に書きとめた。 その中にはベートーベンの第10交響曲もあった。これはCDとして発売されており、聴くことができる。他にも彼女は400余りの曲を発表している。 当然のことながら、これは嘘だペテンだという声があがったが、音楽学者らの鑑定によれば、それらの曲は、すべて作曲家独特の特徴が見られたという。仮に、それらが彼女の偽作だとしても、作曲家のスタイルを徹底的に研究し尽くし、なおかつ天才的な音楽的資質がなければ不可能なことだと結論した。 しかし、彼女にそのような資質はなかったし、音楽的素養もほとんどなかった。どのみち、不思議な話ではある。 本当に彼女は霊界の作曲家から曲を教えてもらったのだろうか? その真偽を問うことは、本書の趣旨ではないのでやめよう。本書で問題にしたいのは、あくまでも作曲家その人自身のことだからである。
by sigma8jp
| 2008-11-18 21:57
| 「天球の音楽」と聖なる七音
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