アール・ヌーヴォー様式を代表する巨匠。草花をモチーフとした幾何的な文様や、曲線を多用した平面的で装飾的な画面構成など典型的なアール・ヌーヴォー様式と、モデルの女性など描く対象の個性や特徴を的確に掴みながら、視覚的な美しさを観る者に嫌味なく感じさせる独自の対象表現を融合させ、数多くの商業用ポスターや挿絵を制作。
画家がパリ時代に手がけた諸作品は当時、大流行となり、画家(作家)として確固たる地位を確立。現在でもアール・ヌーヴォー様式の代表格として広く認知されている。また他のアール・ヌーヴォーの画家(作家)と同様、ミュシャの装飾性の高い平面的表現には日本の浮世絵からの影響が強く感じられる。 ミュシャの作品はパリ時代のカラーリトグラフによる商業用ポスターや装飾パネルなどが有名であるが、油彩画でも優れた作品を残しており、特に晩年期に故郷チェコで制作した連作『スラヴ叙事詩』は画家の生涯の中でも屈指の出来栄えを示している。 1860年、チェコスロバキア南方モラヴィアのイヴァンチッツェで裁判所の官史をしていた父オンドジェイ・ミュシャと家庭教師であった母アマリエ・マラーの間に生まれ、1871年からブルノーの中学に通うほか、同年、聖ペトロフ教会聖歌隊員となる。 1878年、プラハの美術アカデミーを受験するが失敗。翌年、ウィーンへと赴き、舞台美術などを手がける工房へ助手として入る。その後、失業してしまうものの、パトロンであったエゴン伯爵の援助を受け、1884年からミュンヘン美術学校に留学。古典的な写実的表現を会得する。 1887年、ミュンヘン美術学校を卒業後、パリに向かう。 1891年、ポール・ゴーギャンと知り合う。 1894年、当時の著名な舞台女優サラ・ベルナールが主演する戯曲『ジスモンダ』のポスターを手がけ、大きな反響を呼ぶ。 翌1895年、サラ・ベルナールと六年間の契約を結び経済的困窮から脱するほか、『ジスモンダ』の成功によって一躍、時代の寵児となる。 また同年、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックらと共にサロン・デ・サンのグループ展に作品を出品。その後、『ジョブ』や『メディア(メデア)』などのポスターや、『四つの時の流れ』、『四つの星』など連作的作品を数多く制作し、名声を博す。 1904年から数回、招かれる形でアメリカに滞在し同地で制作活動をおこなう。 1908年、ボストン交響楽団によるスメタナの≪わが祖国≫を聴き、強く感銘を受け、スラブ諸国の文化の伝道に尽力することを決意。 1910年、故郷チェコに定住。翌年からスラヴ民族の歴史を綴った連作『スラヴ叙事詩』の制作に取り組み、チェコスロバキアの国家行事のポスターなどを手がけつつ、1928年まで同連作を制作し続けた。 1938年、肺炎により健康状態が悪化、翌1939年チェコで死去。なおミュシャは作品のデザイン性の豊かさから、デザイナーとしての評価も高い。 --------------------------------------------------------- 《 スラヴィア 》 《 百合の中の聖母 》 《 ミューズ 》 《 燃える蝋燭と女 》 《 眠れる大地の春の目覚め 》 《 クオ・ヴァディス 》 《 雪の女王 》 《 スラヴ叙事詩-原故郷のスラヴ民族 》
by sigma8jp
| 2008-11-24 00:08
| 終末のロマン派芸術
|
Comments(0)
|
カレンダー
検索
最新の記事
カテゴリ
全体 『エメラルド・タブレット』 『ヘルメス文書』 『シークレット・ドクトリン』 神智学(神秘学) 古代叡智(グノーシス主義) カバラの奥義 タロットの奥義 錬金術の奥義 占星術の奥義 数秘術の奥義 ヘブライ・アルファベット22 神聖幾何学 360°「サビアン・シンボル」 グルジェフの「エニアグラム」 「フラワー・オブ・ライフ」 旧約聖書の「メルカバー幻視」 ■ 天使の個々の名前 ▽ 天使の階級と名前 四大元素霊と精霊 「妖精の国」 ファンタジーエン 水の精が戯れる「水の音楽」 「天球の音楽」と聖なる七音 鉱物幻想 = 「石の花」 「宝石」の霊的特質 「色彩」がもたらす心的作用 宇宙の神秘哲学論 イマージュの詩学(内奥宇宙) ノヴァーリスのロマン派文学 終末のロマン派芸術 「聖書と霊界」の風景画家 人体の七つの霊的中枢 高次な身体と霊的フィールド 眠れる蛇・クンダリーニの覚醒 オーラ幻視と未来予知 「超心理学」の体系と技法 「自然魔術」と「古代の儀式」 「願望実現」と「物品引寄せ」 「メスメルの動物磁気」と催眠 「夢見」の心理学・象徴解読 「体外離脱」と「臨死体験」 「心霊学」と「心霊科学」 イギリスの「降霊術と霊写真」 スェーデンボルグ霊界の摂理 暗夜の終末論と黎明の哲学 暗夜とキリストの受難 クリスマスの謎と宇宙の秘儀 『 ヨハネの黙示録 』の暗号 「契約の棺」の謎 「イシス・オシリス神話」 エジプト「死者の書」 エジプト「ヘリオポリス神話」 「フェニックス神話」の謎 「ピラミッド・テキスト」 ピラミッド&スフィンクスの謎 「ゾロアスター教」 古代ペルシャの「ミトラ神話」 「古代マヤ」の宇宙原理 古代アトランティスの叡智 ドゴン族の「宇宙神話」 神話に見る「通過儀礼」 「十二星座」に見る星の神話 堕天使と悪魔の階層 「ディオニソス神話」 プラト二ズム思想 プラトンの「エロス論」 両性具有「アンドロギュノス」 「アダムとイヴの楽園物語」 「宇宙創生の過程」を念写! 「コズミック・ファイヤー」 コスモスのニュー・サイエンス グルジェフの覚醒プログラム ユングの「アーキ・タイプ」 ユングの「共時性」 ユングの「個性化とマンダラ」 ユングの「精神の錬金術」 ユングのタイプ論 フロイトの(リビドー)精神分析 シュタイナー「復活祭の季節」 ■シュタイナーの「四季」 ▽・・・(春)『魂のこよみ』 ▽・・・(夏)『魂のこよみ』 ▽・・・(秋)『魂のこよみ』 ▽・・・(冬)『魂のこよみ』 ▽・・・(再春)『魂のこよみ』 ▼・『 アカーシャ年代記 』 前世回帰とアカーシャの記録 5月「ウエサク際」の儀式 月の28日周期と心的作用 「クリスタル・スカル」の謎 「アレキサンドリアの図書館」 宇宙の超知性体「ザ・ナイン」 「日本・ユダヤ同祖論」の謎 古神道・富士と鳴門の仕組 未分類 本ブログについて
【 記事の更新情報 】
本ブログは、管理人が、神秘学の世界観をインデックスとして、まとめてみたいという趣旨で掲載したものです。 本編の宇宙のプログラムに触れる前に、まず全体の骨子を理解するため、過去の偉人が残した様々な哲学や神秘思想を学びます。宇宙のプログラムを効率よく理解するためには最適なテキストとなるからです。その意味から、本ブログで紹介している多くのカテゴリは、本編の宇宙のプログラムを実践するに当たっての材料であり、そのための紹介文となっております。 又、ここに掲載されている内容は、主に(ネット・本・辞書)から引用し、編集したものです。 最新のコメント
タグ
ブログパーツ
記事ランキング
最新のトラックバック
画像一覧
|
ファン申請 |
||